Slackの代替OSSチャットツール比較:Mattermost vs Rocket.Chat

Slackの代替となるOSSチャットツール、MattermostとRocket.Chatを徹底比較。機能、セキュリティ、導入コスト、コミュニティサポートなど、企業の導入判断に役立つ情報を網羅。

SlackMattermostRocket.ChatOSSチャット代替2026/5/25

はじめに

Slackはビジネスチャットツールのデファクトスタンダードですが、コストやデータ管理の面で課題を感じる企業も多いでしょう。特に大規模組織やセキュリティ要件の厳しい業界では、オープンソース(OSS)のチャットツールが注目されています。本記事では、Slackの代替として有力なMattermostRocket.Chatを徹底比較します。両者の特徴、導入方法、運用コスト、カスタマイズ性などを詳しく解説し、あなたの組織に最適な選択肢を見つけるお手伝いをします。

Mattermostの概要

Mattermostは、SlackライクなUIを持つOSSのチームコミュニケーションプラットフォームです。Go言語で開発され、データベースにはPostgreSQLまたはMySQLを使用します。主な特徴は以下の通りです。

  • 高いカスタマイズ性: オープンソース版(Team Edition)は無料で利用でき、ソースコードの改変が可能。商用版(Enterprise Edition)では追加機能とサポートが提供されます。
  • セルフホストまたはクラウド: 自社サーバーにインストールするセルフホストが基本ですが、Mattermost社がホスティングするクラウド版も利用可能。
  • 強力なセキュリティ: エンドツーエンド暗号化(E2EE)はデフォルトでは無いものの、転送中および保存時の暗号化、SAML/SSO、AD/LDAP連携、コンプライアンスエクスポートなど企業向け機能が充実。
  • プラグインエコシステム: 多数のプラグインや統合(Jira、GitLab、Jenkinsなど)が利用可能。
  • チャネルとチーム構造: Slack同様のチャネル、スレッド、ダイレクトメッセージに対応。
  • Mattermostの導入と運用

    インストールはDockerイメージが提供されており、docker-composeを使えば数分で立ち上げられます。最小要件は2コアCPU、4GB RAM、20GBストレージ程度。大規模環境では負荷分散やデータベースのレプリケーションが必要です。運用面では、アップデートが頻繁にリリースされるため、定期的なメンテナンスが求められます。

    Rocket.Chatの概要

    Rocket.Chatは、Meteorフレームワークで開発されたOSSのチャットツールです。こちらもSlackライクなUIを備え、豊富な機能が特徴です。

  • 豊富なコミュニケーション機能: チャネル、ダイレクトメッセージ、スレッド、音声通話、ビデオ会議(Jitsi統合)、ファイル共有、スクリーンショット共有など。
  • マルチプラットフォーム: Web、デスクトップ(Windows/Mac/Linux)、モバイル(iOS/Android)アプリを提供。
  • 高い拡張性: アプリマーケットプレイスから多数のアプリ(Bot、統合など)をインストール可能。また、コードの改変も自由。
  • セキュリティ: LDAP、SAML、OAuth、2要素認証、エンドツーエンド暗号化(E2EE)はオプションで有効化可能。
  • フェデレーション: Matrixプロトコルをサポートしており、他のMatrix対応サービスとの相互運用が可能。
  • Rocket.Chatの導入と運用

    インストールはDocker、Snap、手動など複数の方法が用意されています。最小要件は1コアCPU、1GB RAM、10GBストレージと比較的低スペックでも動作します。ただし、多数のユーザーが同時接続する場合はスケーリングが必要です。アップデートはMattermostよりもやや複雑で、バージョン間の移行に注意が必要です。

    機能比較表

    機能MattermostRocket.Chat
    チャネルパブリック/プライベートパブリック/プライベート
    スレッドありあり
    ダイレクトメッセージありあり
    音声通話なし(プラグインで可能)あり(Jitsi統合)
    ビデオ会議なし(プラグインで可能)あり(Jitsi統合)
    画面共有なし(プラグインで可能)あり
    ファイル共有ありあり
    検索フルテキスト検索、フィルターフルテキスト検索、フィルター
    Botプラグイン/APIアプリ/API
    統合Webhook、Slashコマンド、プラグインWebhook、Slashコマンド、アプリ
    認証SAML、LDAP、OAuth、Google、GitLabなどSAML、LDAP、OAuth、Google、GitHubなど
    2要素認証ありあり
    E2EEオプション(Enterprise版)オプション
    コンプライアンスエクスポートあり(Enterprise版)あり
    フェデレーションなしMatrix対応
    モバイルアプリありあり
    デスクトップアプリありあり

    セキュリティとコンプライアンス

    Mattermostはエンタープライズ向けに設計されており、コンプライアンスエクスポートや詳細なアクセス制御が強みです。一方、Rocket.ChatはE2EEを標準でオプション提供し、フェデレーションによる外部との安全な通信が可能です。どちらも自己ホストによりデータを完全に自社管理できます。

    コスト比較

  • Mattermost Team Edition: 無料(セルフホスト)。Enterprise Editionはユーザー数に応じたサブスクリプション(年間1ユーザー約$10〜$30)。クラウド版も有料。
  • Rocket.Chat: 無料のセルフホスト版(コミュニティ版)は全機能利用可能。有料のサブスクリプション(年間1ユーザー約$2〜$5)でプレミアムサポートや追加機能(ライセンス管理、オーディットログなど)を提供。
  • Rocket.Chatの方が無料版の機能が充実しており、小規模チームにはコスト面で有利です。

    コミュニティとサポート

    Mattermostは活発なコミュニティフォーラムとGitHubリポジトリを持ち、Enterprise版では公式サポートが受けられます。Rocket.Chatも活発なコミュニティがあり、有料サポートプランもあります。ドキュメントは両者とも充実していますが、日本語情報はMattermostの方がやや多い印象です。

    まとめ:どちらを選ぶべきか

  • Mattermost は、Slackからの移行が容易で、エンタープライズ向けのセキュリティ・コンプライアンス機能が必要な大規模組織に適しています。特にSAML/SSOやコンプライアンスエクスポートが重要な場合に強みを発揮します。
  • Rocket.Chat は、音声・ビデオ通話が標準で必要なチームや、Matrixフェデレーションを活用して他組織と連携したい場合に適しています。無料版でも高機能であり、小〜中規模組織にコストパフォーマンスが高いです。
  • どちらのツールもOSSであり、自己ホスト可能なため、データ主権を重視する組織に最適です。まずはテスト環境で実際に使ってみることをおすすめします。

    参考リンク

  • Mattermost公式サイト
  • Rocket.Chat公式サイト
  • Mattermost GitHub
  • Rocket.Chat GitHub
  • ※本記事の情報は2026年3月時点のものです。最新の機能や価格は公式サイトをご確認ください。

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